かがくいひろし(1955年~2009年)は、特別支援学校の教員として28年間にわたり教壇に立ち続け、50歳で絵本作家としてデビューしました。
累計900万部を突破した代表作「だるまさん」シリーズなど、絵本作家となってから病で急逝するまでのわずか4年間の間に人気作を次々と発表し、子どもたちの心を一気につかみました。かがくいは、障がいのある子どもたちと日々接するなかで得た知見と、実際に現場で経験した子どもたちの反応を創作のヒントとし、体を動かしながら声に出して読むことにより、リズムを楽しめる作品や、擬人化された身の回りの物たちが空想の世界で生き生きと動き出す作品など、子どもたちが自然にページを次へとめくりたくなるような珠玉の絵本を遺しました。
当館名誉館長やなせたかしとも、2月6日生まれであること、50代でデビューをした遅咲きの作家であること、そしてなにより、言葉も話せない乳幼児からも熱烈に支持され続ける絵本を生み出したことにおいて、共通点が多い作家といえます。当館では2020年春にも、かがくい絵本をご紹介する展覧会を四国初開催いたしましたが、新型コロナウィルス感染症拡大により、わずか5 日間で閉展となりました。本展は4年越しに実現できた大回顧展です。
本展では4年前とは異なり、別館に特設会場を追加、絵本原画や制作資料とともに、教員時代の貴重な記録映像や手作りの教材等、かがくいの魅力を多方面よりご紹介します。没後15年となる今年、今なお愛され続ける絵本作家、かがくいひろしの創作の軌跡をどうぞお楽しみください。
会期:2024年4月20日(土)〜6月16日(日) 9:30〜17:00(最終入館16:30)
火曜日休館(ただし、4月30日は開館)
会場:香美市立やなせたかし記念館 詩とメルヘン絵本館&別館
入館料:大人600円/中高生200円/小人(3歳以上)100円
(アンパンマンミュージアムとの共通券あり)
主催:公益財団法人やなせたかし記念アンパンマンミュ ジアム振興財団
後援:高知県教育委員会、香美市、香美市教育委員会、高知新聞社、RKC高知放送、NHK高知放送局、KUTVテレビ高知、KSSさんさんテレビ、読売新聞社高知支局、毎日新聞社高知支局、朝日新聞社高知総局、エフエム高知、絵本学会
特別協力:加岳井久美子、渡辺直子、加岳井武志、プロンズ新社、沖本敦子、山崎敬三
協力:講談社、PHP研究所、佼成出版社、教育画劇、偕成社、玄光社、白泉社、特種東海製紙、絵本ナビ、人形劇団プーク、ロバの音楽座
監修:水島尚喜(聖心女子大学 教授)
クリエイテイプデザイン:柿木原政広(10Inc.)
映像:ぺんびねこ
企画制作:堀川佳子、文化企画
みどころ
かがくいひろしの絵本16作品すべての原画をはじめ、「だるまさん」シリーズの続編含む未完作品、奇跡的に残っていた教員時代の資料や映像、81冊のアイデアノートなどを展示。さらに、かがくい絵本のキャラクター達が登場するアニメーションを公開します。
『みみかきめいじん』© Hiroshi Kagakui / KODANSHA
『なつのおとずれ』 © Hiroshi Kagakui / PHP 研究所
『がまんのケーキ』©Hiroshi Kagakui / 教育画劇
かがくいひろし プロフィール
加岳井広、1955年ー2009年
東京都生まれ。1980年、東京学芸大学教育学部美術学科卒業。千葉県下の特別支援学校で28年にわたり教鞭をとる傍ら、人形劇の作演活動や立体作品の制作・発表をおこなう。50歳のとき『おもちのきもち』(講談社)で「第27回講談社絵本新人賞」を受賞し、絵本作家デビュー。以降、2009年に病で急逝するまでの4年間に「だるまさん」シリーズ(ブロンズ新社)、『ふしぎなでまえ』『みみかきめいじん』(講談社)、『おむすびさんちのたうえのひ』(PHP 研究所)、「まくらのせんにん」シリーズ(佼成出版社)など16冊の絵本をのこす。
撮影:大志摩洋一
関連イベント➀
kitpasで大きなだるまさんをえがこう!
4月21日(日)13:30スタート(2時間を予定、途中入退場自由)
会場:アンパンマンミュージアム 1Fシアター※会場が別館から変更となりました(入場・参加には当日の入館券が必要です)
申込不要(会場へ直接お越しください)
kitpas(キットパス)は、国産米の米ぬかから取り出されるライスワックスから生まれた、人にも地球にもやさしい絵具です。大きな紙の全面にkitpasを塗りながら大きなだるまさんの絵を完成させます。
色を塗る楽しさや、みんなで力を合わせる喜びをご体感ください。(協力:日本理化学工業株式会社)
関連イベント②
手話エンターテイメント発信団 oioi 手話ワークショップ
たのしく げんきに!しゅわしゅわタイム!
◆5月26日(日)13:00開場 13:30開演(ショーは約60分)
◆会場:保健福祉センター香北 大ホール
(高知県香美市香北町韮生野363-1 ※香美市立やなせたかし記念館から徒歩すぐ)
◆観覧無料(ただし、当日のかがくひろしの世界展入館券が必要です。展覧会場で入館券をご購入の上、ホールへお越しください)
手や顔、さらに全身をフルに使った「手話ワークショップ」をご一緒に楽しみませんか?手話を知っている人も知らない人も、気がつけば手話が楽しくなっちゃう新感覚のワークショップをぜひご体感ください♪
◆観覧は予約優先となります。下記のお電話またはメールアドレスへ、[代表者氏名/参加人数/お子さまの年齢/電話番号]をご連絡ください。
[お申し込み先](公財)やなせたかし記念アンパンマンミュージアム振興財団
電話/0887-59-2300 (火曜日を除く9:30~17:00受付)
メール/info@anpanman-museum.net
一般社団法人手話エンターテイメント発信団oioi(オイオイ)プロフィール
“きこえる人”と“きこえない人”の間にある心のバリアを壊すために、手話コントなどのパフォーマンス活動、手話や聴覚障害について楽しく学べるワークショップを実施。きこえるメンバー・きこえないメンバーが一緒に作り上げている。約3ヵ月みっちり学べるオンライン手話講座も人気。NHK「バリバラ」「ろうを生きる難聴を生きる」出演、TEDxKobe2019登壇。https://www.oioi-sign.com
関連イベント⓷
かがくいさんのへび人形をつくろう
会期中常時開催
会場:詩とメルヘン絵本館
かがくいひろしさんが考案した「へび人形」を作るコーナーを設けます。ぴょんぴょん動かせるへび人形で楽しく遊びましょう!