展覧会
公募作品展 第27回OURギャラリー展
2025.11.5

今年で27回目を迎えた“私たちの作品展”ことOURギャラリー展。

5・7・5調の17文字の詩とイラストをかいたはがきサイズの作品を募集する展覧会。今年も複数名での合作作品や学校等からの団体応募があり、老若男女問わず幅広い世代からご応募いただきました。

応募作品は全点展示します。会場や会期は下記のとおりとなります。

 

【会 場】 香美市立健康福祉センター香北 2階ロビー

【会 期】 2025年12月6日(土) ~ 2025年12月26日(金)

 

今年のテーマは「」。
連続テレビ小説で登場人物のモデルとして取り上げられ、さらに皆さまからの注目が高まった今年。
多くの方に愛されているやなせを感じるだけでなく、やなせ自身の愛にあふれる人柄や作品に触れていただいた年となったのではないでしょうか。
そんな愛にあふれる年であったため、今回のテーマを「愛」としました。
文字に「愛」が含まれていなくてもOK。応募者それぞれが思い浮かべた「愛」がテーマの思い思いの作品が集まりました。
今回は、前回の484点を超え、過去最多数の1,162点が全国から集まり、その中から大賞1点OURギャラリー賞5点が決定しました。
受賞作品決定にあたり、5名の審査員の皆さまにご協力をいただきました。


審査員総評

雨宮尚子(イラストレーター)
<プロフィール>
1994年第14回「詩とメルヘン」イラストコンクール佳作賞受賞。2002年ボローニャ国際児童書展入選。代表作に、絵本『旅館すずめや』『えんぎがいい』(白泉社)などある。長年にわたり『やなせスタジオ』にてやなせたかしのアシスタントを務め、アンパンマンなど数多くの作品を手がけた。

 今年は過去最高の応募数とお聞きしました。それもあってのことでしょうか、一次選考を通過した作品のレベルの高さに審査員一同う~んとうなってしまいました。絵のサイズが小さく文章も17文字と少ないので、ほんの少しの言葉選びや工夫でとてもおもしろくなったり、逆に想いがきちんと伝わらなくなってしまうこともあります。コンパクトだけど難しい。一点一点、何度も見なおし読みなおし話し合い、例年より長い時間をかけての審査となりました。
 

くさか里樹(漫画家)
<プロフィール>
高知県日高村出身。1980年に『別冊少女コミック』(小学館)にて、『ひとつちがいのさしすせそ』でデビュー。代表作に『ケイリン野郎-周と和美のラブストーリー』(Judy,小学館)、『ヘルプマン!』(イブニング、講談社)をはじめとする、「ヘルプマン」シリーズがある。『ヘルプマン!』で2011年度第40回日本漫画家協会賞大賞を受賞。

どの作品も画力が高くて魅力的でした。泣きたくなるほど難しい審査でした。全てに賞を差し上げたいくらいです。反面、言葉の力を存分に発揮できている作品は意外と少なくて、とても残念。絵と言葉は同じくらい大事だと捉えて、ますます素敵な作品を楽しく描き続けてくださいね。
 

小松申尚(絵本作家)
<プロフィール>
高知県生まれ。絵本に、『まいごのモリー』シリーズ(絵・はたこうしろう/童心社)、『どろぼうねこ』シリーズ(絵・かのうかりん/文芸社)、紙芝居に『まてまてあんぱん』(絵・和歌山静子/童心社)がある。

 今回も力作ぞろいで、選ぶのに苦労しました。テーマが“愛”というだけに、キュンキュンさせられる作品が多数あり、その中でも(個人的に)断トツズッキュンの作品が大賞に選ばれました。候補に残った作品を見ると、割りと似たような題材を扱った作品が多かったような印象があります。もっとトリッキーな作品があっても面白かったですが、それは候補から外れた作品の中にあるかもしれません。自由度の高さが魅力の本賞ですから、クセの強い作品を楽しみに、ぜひ展示会場へ足を運びたいと思います。
 

正木秀尚(漫画家)
<プロフィール>
高知県香美市出身。1985年少年サンデー増刊にて、読み切り『がんばれ郵便屋さん(ポストマン)!!』でデビュー。 代表作『雨太』(白泉社)、『ガンダルヴァ』(河出書房新社)などがある。

 今年は例年をはるかに越える応募数で、力作ぞろいでした。見れば見るほどどの作品も賞に入れたくなり、審査に苦しみましたが、同時にたくさんの感性に触れられてうれしい悲鳴が出ました。
 

おかもとあつし(漫画家・紙芝居作家)
<プロフィール>
香美市香北町在住。漫画家・紙芝居作家として創作活動を行うとともに、高知県内を中心に紙芝居を上演し、紙芝居文化の普及に努めている。公益社団法人日本漫画家協会四国ブロック長。高知漫画集団会員。紙芝居座へんしも代表。人形劇団とんとんびょうし代表。

 このたびは、たくさんのご応募をいただきありがとうございました。今回は、過去最高の1100通を超えるご応募をいただきました。多くの皆様からの「愛」で埋め尽くされた今年の審査会でした。
 ハガキ大の絵と17文字の詩の小さな作品ですが、表現できる世界は無限の可能性があるように思います。これからも、親しみやすい公募展として、多くの皆さまに気軽にご参加いただけますよう願っております。

 

受賞作品・選評

大賞

滋賀県 西村 みほ さん

選評

 イラスト・詩・レイアウトなど全てが心地よく、思いがまっすぐに伝わる作品だと思いました。パアッとうれしそうな笑顔のまわりがキラキラと光っているのですが、スプーンの上のいちごがそれ以上にピカーっと輝いていて「あげたい愛」の尊さがまぶしいです。(雨宮
 手前にいるのは多分お兄ちゃんかお姉ちゃんだと私は感じます。嬉しそうにもらってる弟もいつかは「あげたい」人へと育っていく。「愛」がこうしている今もあちこちで生まれている素敵な世界に私たちは住んでるんだな、と胸がいっぱいになりました。くさか
 共感度MAXの作品でした。子どもの顔にパッと広がった輝くような笑顔、ポカポカあたたかな色づかい。もうキュンキュンです!僕の子供たちはもう、幼い時分を過ぎましたが、今でもあの頃の愛しさを思い出す。そして、あの頃とはまた別の色で、別の形で、いまも変わらず愛している。そんなこんなを思い、感情を揺さぶられた一枚でした。(小松
 絵の仕上がりやバランスが良く、作品に漂うムードにも好感が持てました。手前にいる人物が誰かということにも色々な解釈が生まれて、見てて楽しい作品です。正木
 この子のお姉ちゃんのことを詠んだ詩なのかな?お菓子を取り合いっこしていたきょうだいだったのに、いつの間にか、ケーキを分けてあげるお姉ちゃんに!ほのぼのとした〝きょうだい愛〟にぴったりの、イラストと詩!イラストの中への詩の入れ方も素晴らしいです!(おかもと

 

OURギャラリー賞

埼玉県 小河原 智子 さん

選評

 のぼり坂でもなんのその。自転車をグングンこいじゃう青春の愛とエネルギー、スピード感にわくわくしました。矢印の効果についてはいろいろな意見が交わされましたので作者の真意が気になるところです。(雨宮
 ひとりより2ケツで漕ぐ方が軽いなんて、しかも上り坂で、って、どんだけ嬉しいの!?爆発的にパワフルで胸を鷲掴みにされました。一見重たい配色、不自然なほどでかい花、吹きつける風にも溢れんばかりの愛のパワーを感じずにはいられませんでした。(くさか
 僕は女の子を後ろに乗せて自転車をこいだことはないですが、友達を乗せてこいだことはあります。あれはひとりの方が軽かったな。姉を乗せて漕いだこともあります。ただただ重かった。愛が足りなかったのかな。ふたりでいることの幸せが勝ちすぎて、重いのなんてへいちゃら。坂道も何のその。愛というテーマにして、意外と少なかったアオハルの一枚。色づかいも素敵。(小松
 まさに「迫力負け」という感じで圧倒されました。若い男の子のパッションが全開で描かれていて、その力強さに爽快感を覚えました。矢印の是非は敢えて問いたいところです(笑)正木
 今は、自転車の二人乗りはできないけれど、かつての思い出なのかもしれません。君を乗せて足がつりそうになっても、心は軽やか「どんな坂でもへっちゃらさ!」…ああ青春の1ページ、私も思い出しました。おかもと

 


北海道 久保田 祐子 さん

選評

 ほほえむ太陽のまわりを四季がめぐり、そばにはいつも誰かがいてくれる…。くるくると回しながら見ているとまるで絵本を読んでいるような気持ちになります。ていねいで細やかなイラスト、愛を広く俯瞰でとらえた点が高く評価されました。(雨宮
 
完成度が高すぎて、ついスルーしてしまいましたが、よく見ればあらゆる場面に「愛」の姿が描かれていて、見れば見るほど圧倒されていきました。この作品に出会えたことに感謝したいほど素晴らしかったです。(くさか
 
「いてくれるだけでいい」なんて、もう愛のかたまりではないでしょうか。私にも大切な人がもちろんいますが、そういう人たちに、「いてくれるだけで幸せなんだ」と伝えるべきなのだろうと思います。伝えられてないですけれども。一人ひとり、それぞれみんな、きっと大切な人がいる。仮にいまはいないとしても、きっといつかは出会えるはず。ほのぼのした絵に乗せた、温かなメッセージ。(小松
 初見の印象は「かわいい」でしたが、絵に近づいてよく眺めていると、そこに広く深いテーマを感じ、応募作の中でも大きな視野で描かれた作品として後々まで余韻が残りました。(正木
 詩にあるように、「きみがいる」イラストの中、それぞれにいろいろなドラマがありそうな…、このまま絵本になりそうな素敵な作品だと思いました。(おかもと


千葉県 小林 容子 さん

選評

 鉛筆の濃淡だけで描かれているのに、何とも言えない温もりや色彩を感じます。花火を見上げるおふたりはもちろん、後ろから見まもっている(と思われる)作者のあたたかい視線も愛に満ちていて、いつまでも見ていたくなりました。(雨宮
 
黒一色であるが故に花火やいろんな色を想像する楽しみがありますね。睦まじい背中を見つめるのは娘息子なのか孫なのか、その目線から「愛」や「尊敬」を感じます。鉛筆の線の柔らかさも主題にピッタリ。何より、花火を抜き描きにした丁寧さには驚くばかりです。(くさか
 背中を見つめる構図で、表情が見えず、色はモノトーン。ギュッと凝縮された、雰囲気のある力強い作品でした。色がなく表情も読めないという情報の少なさは、逆に多くのことを物語るかのようで、どんな顔してるのかな、とか、こんなこと話してるのかも、とか、いろいろな情景が頭に浮かびました。二人の背中を見つめる目にも、きっと愛が込められているのだと思います。(小松
 作風が独特で印象に残りました。描かれてるお二人が背中を向けているのでその表情や会話を想像させられるところが良かったです。又、その後姿を見つめる「誰か」の目線もあって味わい深い作品です。正木
 鉛筆画でご応募される方は少ないのですが、今ここで花火が上がっているような臨場感と、一方で静かに花火に見入って二人の人物がいる。米寿を迎えられたお二人が紡いできた時間も重なり、〝動〟と〝静〟の描写が、実に生き生きと描かれている不思議で素敵な作品だと感じました。(おかもと


東京都 保坂 悠斗 さん

選評

 かよわいものにそっと力をかすことは、とても純粋で自然な愛のかたちだなとジーンときました。花をまもる囲いを「いしのかべ」と表現した点が秀逸です。この硬い5文字があとにつづく優しい言葉を引き立てていて、すごい!と思いました。(雨宮
 読みやすい文字と見やすくて無駄のない構図。花びらにはグラデーションまでつけています。これが5歳の作品なんてびっくりです。自分より小さな存在を守ろうとする、誰の中にもあるはずの「愛」が素直に描かれていて、胸がじんとしました。(くさか
 “愛”という大人でも難しいテーマにおいて、幼い子が、「愛ってこういうことでしょ」と、ポンと差し出してくれた一枚。経験を重ねれば重ねるほど、酸いも甘いも噛み分けて、深いところまで見えてくるのかもしれないけれど、こんなにシンプルで、素直な作品が、より心に刺さってくる不思議。勉強になりました。ありがとう。(小松
 そこにある小さな「生命」に対して思わずそれを守ろうという気持ちが生まれた・・・その気持ちをストレートに表現しつつも「いしのかべ」という言葉で表した点が発明的ですばらしいと思いました。(正木
 小さな花を守ろうとした気持ちが、とても素敵です。いつまでも、やさしい気持ちを大切にしてください。(おかもと

 


兵庫県 吉倉 花菜子 さん

選評

 くっついた2本のバナナを「よりそうふたり」と見立てたところ、そして時間の経過をスイートスポットの中に見出して「深める時間」と表現した点が新鮮でした。あたたかい色調にしっかり熟した愛情を感じました。(雨宮
 
友人なのか、カップルなのか、熟年夫婦なのか、バナナで表現するなんて、見事な発想ですね。デッサンも彩色も抜群に上手いし、構図にもインパクトがありますね。テーマの「愛」という文字が入らないようひらがなでもよかったかもですね。(くさか
 
寄り添い、ともに月日を過ごすうち、ふたりの愛は深まっていく。若く青臭かったふたり。大人になり、肌の黄色が濃くなるにつれ、しだいに深く、円熟味を増していく。黒いシミさえふたりの過ごしてきた時間を表す勲章のようだ。さて、どちらが先に食べられるのか。考えたくない。いつまでも一緒にいたい。そうだ、できれば2本同時にいってほしい。……熟したバナナって美味しいですよね。(小松
 まず、何より熟れたバナナにこのテーマを発見したことが素晴らしいと思いました。またそれを表現するための確かな絵の技術を持っていて、絵を描く者としてうらやましいと思いました。(正木
 『シュガースポット(皮の黒い斑点)』ができたバナナ2本にこの詩。ユーモアのきいた表現力で、私が衝撃を受けた作品でした。これからも、楽しい作品に期待しています。(おかもと
 

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