「つなぐ(つながる・つなげる)」をテーマにした5・7・5調の詩とイラストを描いたハガキ作品を募集した
公募作品展「第22回OURギャラリー展」。
今年は全国から438点の作品が集まりました。
11月14日(土)から別館にて展示がはじまります。
受賞作品はもちろんのこと、応募作品全点を展示しますので
みなさんの力作をぜひ見に来てください。
作品展示
日時:2020年11月14日(土)~2021年1月11日(月・祝)
10:00~17:00 火曜日休館(12/24~1/7は無休)
会場:香美市立やなせたかし記念館・別館
入場無料(ただし、アンパンマンミュージアム・詩とメルヘン絵本館へは別途入館料が必要です。)
応募作品はすべて、「第22回OURギャラリー展」に展示します。
受賞作品紹介と各作品のコメント
11月22日にはトークイベントが開催され、
雨宮尚子氏(リモート参加)、くさか里樹氏、おかもとあつし氏の
3名の審査員による審査結果の発表と受賞作品の講評が行われました。
以下、受賞作品を審査員のコメントとともにご紹介します。
大 賞「ふるさとへ つながる空を 染める色」 大阪府/前田真由子(39歳)
- 遠くふるさとの空までつながっていく夕焼けの、くっきりとした力強い配色が印象的です。文字が青から赤へ染まることで時間の流れが見える気がしました。(雨宮)
- 一時停止の道路標識は、コロナ禍の窮屈な制限生活。夕焼けはふるさとに帰れぬ寂しさ。ネガティブな気持ちもきちんと描きつつ、大空に思いを広げる強さを感じました。空は世界とつながってます。こちらで日が沈めばあちらで日が昇る。みんなで乗り越えよう、という大きなメッセージを感じました。(くさか)
- どんなに離れていても、ふるさとは同じ空の下、いつも一つにつながっています。作者も、いつも空をあおぎ見て、ふるさとからのエネルギーもらっているのかもしれませんね。詩の文字まで染めてしまう、美しいあかね空に感激しました。(おかもと)
OURギャラリー賞「かえりみち かげがつなげる てとてとて」福島県/井上和美(36歳)
- 「てとてとて」の音がとてもかわいらしく、絵の中に3人の物語が感じられます。影をぐーんとのびるように描くとさらに言葉が生きてくると思いました。(雨宮)
- 「てとてとて」という言葉の響きが可愛らしい。この3人が大人になっても忘れない思い出になりそうな、素敵な瞬間ですね。主題の影を下半分以上使って描けば、心にどーんと残る作品になるような気がしました。(くさか)
- 実際には、手をつないでいないのに、影が手をつないでいるというメルヘンチックな作品。これは、コロナ禍の時代にあってこそ生まれた作品なのかな?と思いました。(おかもと)
OURギャラリー賞「孫が来る 遠い場所でも コロ禍でも」埼玉県/岡本正明(64歳)
- 今年はコロナ禍で残念ながら帰省が困難な状況です。そんな中、リモート帰省をポジティブに楽しむイラストが光りました。みんなの笑顔がいいですね!(雨宮)
- コロナ禍が、おじいちゃんおばあちゃんとパソコンというハイテク機器をつないだんですね〜。家族とつながる喜びはもちろん、いくつになっても初挑戦をし続けるってすてきです。(くさか)
- まさに、コロナ禍を象徴するような作品です。でも作品の中のご一家の明るいこと!直接はなかなか会えないけれど、新しいつながり方によって、お互いが身近に感じられるといいですね。(おかもと)
OURギャラリー賞「あちこちに わらいふりまき みなえがお」東京都/杉本憲一(42歳)
- 赤ちゃんにニコッとほほえまれたら思わず笑顔になってしまう。でもこの赤ちゃん、何とも言えない不思議なインパクトがあります。でもやっぱり笑ってくれたらつられちゃう!構図もバツグンでした。(雨宮)
- 顔面の迫力に圧倒されました。すぐには赤ちゃんだとわからなくて(笑)。わかって大納得です。無機質なエレベーターの中という場面設定が赤ちゃんの癒し力を際立たせています。(くさか)
- 赤ちゃんの振りまく“笑顔の連鎖”が、多くの人々に幸福をもたらしてくれることを、改めて教えてくれた作品です。最初、どのような絵なのかがわからなかったのですが、じっと見ているとお母さん姿が見えてきて、初めてこの赤ちゃんの偉大さがわかりました。(おかもと)
OURギャラリー賞「器用さと 粘り強さが 四代目」新潟県/杉山しげ行(62歳)
- 丹念に描き込まれた陰影とやや固めの文体が相乗効果となって、日常のひとコマが一気にドラマチックに!描き手の方の器用さと粘り強さに感服しました。(雨宮)
- 文字の大きさ、差し色、全てのバランスが抜群に素晴らしい。口をとんがらかせてる様子で一心不乱さがよくわかります。夢中になってるのはレゴブロックでよかったのかな?違うものでも見てみたかったです。(くさか)
- うちの長男もブロックが好きで、もくもくといろいろなものを作っていたことを思い出しました。この作品の作者は何代目にあたるのでしょうか?細かい線で丁寧に描かれた作品が、四代目との関係が深いことを物語っています。(おかもと)
OURギャラリー賞「浮立舞 昔も今も 鐘太鼓」佐賀県/前田瞳(73歳)
- 絵のタッチや文字が味わい深く、色合いもとてもきれいだと思います。「今も昔も」が長い時のつながりを想起させ、さらに未来への希望も感じました。(雨宮)
- 地域をつなぐ伝統芸能を次世代へつなぐ、ふたつの「つなぐ」が込められていますね。絵柄と文字と言葉がとてもマッチしていて構図もとてもいい。(くさか)
- 地域のお祭りが題材の作品。日本の伝統文化が今に残っているのは、まさに地域のつなぐ力、つながる力のおかげだと思います。少子高齢化の時代にあって、ご苦労も多いことだと思いますが、今後ともどうかつないでいってもらいたいと思いました。(おかもと)